おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「ノウイング」Knowing (09) *ネタバレあり

 ニコラス・ケイジ演じるM.I.T,教授の幼い息子が、五十年前にタイム・カプセルに入れられていたメッセージを小学校から持って帰ってくる。そこに連ねられた数字は地球上にこれまで起こった、そしてこれから起こる大惨事の数々を予言するものだった。
 旅客機の墜落と地下鉄の惨事がC.G.I.を駆使して描かれるが、破壊や爆発を、爽快感のあるものとして描くのではなく、そこに人間がいるとどれだけ恐ろしいことになるのかをきちんと描いていることに感心し、戦慄した。それが当然なのかもしれないが、最近の作品は派手に描けばそれでいいと思っているらしいものが多すぎる。「トランスフォーマー/リベンジ」のように、ただただ押しまくるのでも、「地球が静止する日」のように気の抜けたものでもなく、リアルな災害が描写されている。
 途中から、これはクラークの『幼年期の終わり』へのオマージュ、身も蓋もない言い方をすればパクリなのだな、と気づいたが、観客にそれを伝える重要なメッセージ、"everyone else"が「全人類」と字幕で出ていたのはいかがなものか。「他の者たちは全員」だろ。全然意味が違うじゃん。
 一歩間違うと馬鹿馬鹿しいクライマックスなのだが、それをある程度の説得力を持って見せてしまうのは、一つにはケイジの演技力とカリスマあってのことだろう。「バンコック・デンジャラス」には全く感心できなかったが、やはりこの人は凄いと思った。
 エイリアンものだとわかった途端にアホらしくなった「フォーガットン」と違って、最後まで面白く見られたもう一つの理由は、アレックス・プロヤス監督がこの物語を、職人としてちゃっちゃと仕上げたのではなく、作品のビジョンを信じているからだろう。「ダーク・シティ」も「アイ、ロボット」も"新世界の始まり"で幕を閉じていた。
 飛行機墜落場面とか、終末描写など、黒沢清作品の影響があるのではないだろうか。
 あまり期待していなかったせいか、思いの外楽しめる作品であった。

by broncobilly | 2009-07-11 01:00 | 映画評
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