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映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「アフター・アース」(After Earth, 13)

 人類が他の惑星へと移住した未来。伝説の軍人ウィル・スミスは士官候補生である息子ジェイデン・スミスが任務で宇宙旅行中、船が墜落。二人以外の乗組員は全員死亡し、父スミスも重傷を負って動けなくなってしまう。救難ビーコンを作動させるために子スミスは一人で長距離移動をせねばならなくなるのだが、宇宙船に乗せていた人をかる凶悪モンスターが逃げ出していた上、この惑星"地球"ではあらゆる生物が人類を抹消するために深化していた・・・。

 ウィル・スミスが息子を売り出し、かつ教育するために原案と製作を兼ねていて、内容的にはSF版「ベスト・キッド」といった趣きもあり。原案はSFではなく、父子はキャンプ先で遭難するという設定だったとのことだが。

 監督はM・ナイト・シャマラン。ぼくは世評の低い「レディ・イン・ザ・ウォーター」、「ハプニング」なども含めて、シャマラン作品は好きなので、先に公開されたアメリカで批評的にも興行的にも失敗している「アフター・アース」にそれでも期待していた。しかし、今度ばかりはあきまへん。

 まずはストーリーがシンプルな割には意味不明。あの大鷲はなぜ子スミスを無傷で巣に連れ帰ったのか? なぜ、あとから命がけで助けたのか? 雛たちのエサにするつもりで連れ帰ったが、巣を襲った猛獣たちから子スミスが雛たちを守ろうとする様子を見て感激したから・・・、というようなところなのだろうが、すべての生物が人類抹消のために進化した、という設定じゃなかったの? そもそもたったの千年ぽっちで、生物ってそんなに進化するのか?

 シャマランという人の演出には、一般的な娯楽作品と比べて一拍遅らせたような独特のテンポがあって、そこが心地よいのだが、こんかいのような"時間との競争"の要素が強いストーリーには向いていない。

 しかも、子スミスに演技指導したり、アクション場面を実際に演出したのは父スミスだったとのことで、シャマランの世界観と父スミスの親ばかぶりが、上手く化学反応を起こせば怪作が出来上がってそれなりに楽しめたかも知れないのだが、出来上がった作品は木に竹を接いだようなちぐはぐな印象の残る代物になってしまっている。

 ぼくはどんでん返しのないシャマラン作品も好きなのだが、今回ばかりは、"子スミスは実は死んでいた"とか"父スミスが悪の権化だった"とか"実は未来ではなくてまだ21世紀だった"とか"ラスボスの凶悪モンスターは水に弱くて、あっさり退散"とかのどんでん返しを期待してしまったよ。同じように思った観客も多かったようで、劇場内にいた人たちの大多数がエンドクレディットの最後までおとなしく座っていた。場内が明るくなると共に、皆重い足取りで劇場をあとにしたのでした。




After Earth
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by broncobilly | 2013-06-23 08:22 | 映画評
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