おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「モネ・ゲーム」(Gambit, 12)

 マイケル・ケインとシャーリー・マクレーンが共演した「泥棒貴族」(66)の原作となった短編をコーエン兄弟が脚色した、まあ、ある意味リメイク。コーエン兄弟によるリメイクと言えば「トゥルー・グリット」は素晴らしかったが、「レディ・キラーズ」は、この二人にしてはつまらない作品になっていたので、今回も油断はできない。しかも監督は、これまであまり感心したことのないマイケル・ホフマンである。コリン・ファースとキャメロン・ディアズの売れっ子二人に、アラン・リックマンとスタンリー・トゥッチという曲者二人が絡むので期待は膨らむのだが。

 強欲なメディア王リックマンのもとで虐げられ続ける美術鑑定家のファース。堪忍袋の緒が切れて、テキサスの田舎娘ディアズを巻き込んで、行方不明になったままのモネの名画(贋作)をリックマンに売りつけようとするのだが・・・・。

 アニメのオープニング・クレディットは「ピンク・パンサー」シリーズみたいで楽しいのだが、残念ながらファースはピーター・セラーズではない。あくまでもマジメに演じることでじわじわと可笑しくなる役者である。しかしながら「モネ・ゲーム」では、セラーズだったら上手く演じそうなドタバタや繰り返しのギャグを演じさせられている。この人の任ではない。

 ホフマンの演出は堅実で手堅いのだが、この作品の場合はそれが裏目に出ている。もっと弾けないと、シナリオの面白さが生かされない。中盤のホテルでのドタバタなど、尺を取っている割には弾まないのだ。もっとテンポよく行かないと。

 ディアズは例によって例の如きお色気路線で、下着姿など披露してくれて、嬉しくないこともない。カラオケで熱唱する場面もあって、下手くそぶりが楽しい(「ベスト・フレンズ・ウェディング」の時ほどではないが)。リックマンも上手いし、トゥッチも達者だが、四人の演技がバラバラな感じで、かけ算の楽しさになっていないのだ。

 終盤はいくつかのどんでん返しが連続するのだが、ひたすらドジな人物として描かれてきたファースが鮮やかな逆転劇を見せるところが、もう一つキマらない。

 退屈はしなかったが、これは面白いですよ、とオススメすることはできない、ちょっと残念な出来でした。




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by broncobilly | 2013-06-29 18:45 | 映画評
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