おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「ホワイトハウス・ダウン」(White House Down, 13)

 ホワイトハウスが謎の集団に乗っ取られて大統領が人質になって、タフガイが単身・・・・って、最近こういうの観たばかりだな。

 そうは言っても、「エンド・オブ・ホワイトハウス」との違いはいろいろあって、まずこちらでは主人公チャニング・テイタムだけでなく、ジェイミー・フォックス大統領もアクション・ヒーローとして活躍する。

 「エンド・オブ」の敵は北朝鮮だったが、こちらは国内の軍産復業体が、大統領の中東和平施策によって戦争がなくなったらエライことだ、と陰謀を巡らせる。そして黒幕は・・・・。

 一番の違いは監督が活劇派と言うよりはスペクタクル派のローランド・エメリッヒであること。ホワイトハウスを吹き飛ばすことにかけてはベテランの御仁だが、この人の場合、紋切り型のストーリー展開、型どおりのキャラクターは、C.G.I.によるスペクタクルという刺身に、ツマとしてついているだけ、みたいなところがあるので、果たしてこの企画に向いていたのかどうか・・・。
 アクション映画としては「ユニバーサル・ソルジャー」、「スターゲイト」の頃より、下手になっているのでは?とさえ思ったよ。

 ホワイトハウスの爆発炎上、大統領専用機の墜落、といったスペクタクルは嬉しげにこれ見よがしに演出しているのだが、それらの見せ場が活劇としての一本のラインを補強するのではなく、何か別なものとして存在してしまっていて、むしろ全体の印象が散漫になってしまっている。

 で、活劇部分だが、銃撃戦だの、カーチェイスだの、爆発だのはふんだんに用意されていて、また退屈することはないのだが、とにかく主人公から、大統領から、敵に至るまで、人物造形に工夫がなさ過ぎる。主人公の幼い娘が、「ダッド」ではなく「ジョージ」と名前でしか呼んでくれない、なんて設定をいまだに大マジメでやっているのだ。

 そうは言っても、役者の顔ぶれが賑やかなので、だいぶ救いにはなっている。
 主人公と大統領のコンビは陽性の人気者チャニング・テイタムとジェイミー・フォックスだし、悪玉側は(昔のようなキレ芸をもっと見せてほしかったとは思うが)貫禄十分なジェームズ・ウッズに売れっ子のジェイソン・クラーク。ハッカー役のジミ・シンプソンは「リンカーン/秘密の書」では大統領の親友役だったのに今回は国賊。国賊と言えば「9.11.の責任はアメリカにもある」と発言して国賊扱いされたマギー・ギレンホールがシークレット・サービス役なのは狙っているのか?

他にも「NCIS」のマット・クレイヴン、「ミディアム」のジェイク・ウェバー、「フリンジ」のランス・レディックとか「Dr.ハウス」のピーター・ジェイコブソンとか、TVでお馴染みの面々が脇を固めていて賑やかである。

 と言うわけで、見所はやっぱり特撮と役者の顔ぶれ。一応、どんでん返しが用意されているが、そんなものよりも、敵味方の攻防の細かい部分に知恵を絞ってほしかった。

 スケールは小さくても、活劇としての筋が通っていた「エンド・オブ・ホワイトハウス」の方に軍配を上げたいと思いますです。




ホワイトハウス・ダウン
ハラルド・クローサー トーマス・ワンダー ヒー・メット・ハー
Rambling Records (2013-08-14)




 キネマ旬報最新号。連載は「"サム・ジャクソンという名のダルトン・トランボ"」

キネマ旬報 2013年9月上旬号 No.1644

キネマ旬報社 (2013-08-20)


by broncobilly | 2013-08-19 14:57 | 映画評
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