おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「グランド・イリュージョン」(Now You See Me, 13)

 物語の終盤まで観客にも正体が明かされない謎の人物にスカウトされた四人のマジシャン"フォー・ホースメン"(ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、アイラ・フィッシャー、デイヴ・フランコ)が、マジック・ショーの舞台の上から一見(というか、どう考えても)不可能な犯罪を実行。FBIのマーク・ラファロはインターポールから派遣されたメラニー・ロランと共に"フォー・ホースメン"を追うが、マジシャンたちは常に捜査陣の先を行く。"フォー・ホースメン"のスポンサーでありながら彼らに財産を奪われた富豪マイケル・ケインは、マジシャンたちのトリックを暴くことを生業としているモーガン・フリーマンを使って"フォー・ホースメン"を破滅させようとする・・・。

 とまあ、これ以上は書けないトリッキーな物語。「マジシャンが右手を動かしている時は左手を見ろ」と昔からよく言われるが、この作品では舞台の上のマジックショー、"フォー・ホースメン"の犯行、そして物語の展開そのものにもミスダイレクションが駆使されている。

 直接的に"画"が見えていないミステリ小説でのみ可能なトリックというものがあり、例えばトマス・ハリスの『レッド・ドラゴン』は、そんなトリックを使っていて、最初の映画版ではそれを使っていなかった。リメイクでは使っていたが、成功していたとは言い難い。

 ぼくは「グランド イリュージョン」を観ながら、「映画でしかできないトリック/ミステリもあるのだなあ」とずっと思っていた。この作品の"フォー・ホースメン"は、実は将棋の駒のような役割なので、背景や正格は必要最低限にしか描写されていない。むしろ追跡するFBIとインターポールのコンビの方が丁寧に描かれているくらいだ。これを小説でやると上手くいかないはずなのだが、とりあえず魅力的な俳優たちが演じているのでなんとかなってしまうのである。

 ケインとフリーマンという大ベテランががっちりと脇を固めているのも、もちろん"フォー・ホースメン"との対比で上手くいっている。

 そしてこの作品ではキャスティングや人物描写そのものがミスダイレンションなのである。

 物語の展開や犯行の種明かしにも相当強引なところがあり、ここ一番のキーポイントがハレルソンのメンタリズム(つうか催眠術)頼りなのもいかがなものかとは思うが、ルイ・ルテリエ監督の演出テンポが良く、映像にもはったりが効いているので、観ている間はそれほど気にならずに楽しめる。

 個人的には、「ここは上手くいく確率低いだろ?」と、どうしても引っかかっていた部分が、ラスト近くの種明かしでスッキリと納得できたので、とりあえず満足できた。

 続編を匂わせる終わり方だったが、このレベルのマジック・ショーなら、また観たいと思う。騙されたいと思う。








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by broncobilly | 2013-10-27 11:42 | 映画評
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