おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「死霊館」(The Conjuring, 13)

 実話ネタだそうです。

 ロードアイランドの人里離れた一軒家に引っ越した家族が怪異現象に悩まされ、カソリック教会公認の超常現象研究家夫妻(ヴェラ・ファミーガ+パトリック・ウィルソン)に助けを求める。夫妻の調査で家に取り憑いた悪霊の正体が徐々に明らかになるが、その力はあまりにも強大だった・・・・。

 というような設定のホラー映画は佃煮にできるほど作られていて、最近では残虐描写をエスカレートさせたり、POVで目先を変えてみたりというのが主流となっている。

 そんな中で「死霊館」は極端に残酷な場面はなく、POVでもない。設定も、脅かし方も実にオーソドックスである。

 しかしながら、びっくりするほど怖い。アメリカ本国で予想を大幅に上回る大ヒットとなったことも納得である。「ソウ」フランチャイズなどホラーで知られるジェームズ・ワン監督が、この作品のメガヒットをきっかけに「ワイルド・スピード」最新作の監督に抜擢されたというニュースには「???」だったのだが、「死霊館」を観て納得した。怖がらせる"呼吸"が抜群で、この"呼吸"をカーアクションに応用すれば、スゴイ活劇が出来上がるはずだからだ。

 評判がよい作品で楽しみにしていたのだが、静岡で上映される気配が全くない。しびれを切らしてDVDを個人輸入して観たのだが、その方が良かったのかも知れない。ぼくは大変な小心者で、残虐な場面とか、設定にはかなりの耐性があるもの、来るぞ、来るぞ、来た〜! と思ったら違った〜! やっぱり来た〜!!みたいな脅かし方にはめちゃめちゃ弱いのである。家のテレビで観ていても七転八倒したのだから、劇場のスクリーンで観ていたらどうなるか、想像するだに恐ろしい。

 とにかく、見せたり見せなかったり、のタイミングが素晴らしく、観ているうちにくたくたになる。

 しかもクライマックスは、本格的な悪魔祓い場面となり、ここは力業で徹底的ら押しまくるのである。

 不運な一家の四人娘は揃いも揃って可愛らしく(「ホワイトハウス・ダウン」で主人公の娘を演じていた子も混じっている)、旦那はいかにも善人面。一家の主婦を演じているのがよりにもよってリリ・テイラーなので、悪霊が最終的に誰に取り憑くのかは予想の範囲内だが、テイラーは期待以上の大熱演・大怪演でクライマックスを掠ってしまう。

 無理矢理にバッドエンドにせず、節度を持った静かな終わり方なのも気に入った。もうお腹いっぱいですから。

 これだけ出来のいい作品だから、後からでも静岡に来たら、もう一度今度はスクリーンで観ようかなあ。やっぱり怖いから止めとこうかなあ。
 なんて真剣に悩むほど、久々にたっぷりと怖がらせていただきました。

*余談

 しっかし、これほどの作品が限定公開で、ごく少数の映画ファンの目にしか触れないとはもったいない。「貞子3D」あたりでキャーキャー言っている中高生が観たら、どれほど恐がり楽しむかと思うと実にもったいない。
 配給、宣伝の人々のクロウやがんばりは少しはわかっているつもりだが、この作品や「クロニクル」のような大作ではないけどとびきり面白い映画を丁寧に宣伝して、一定以上の規模で公開することが、若者の洋画離れを防ぐ最良の方法なのではないだろうか。
 ここの配給会社では会社の力関係やスクリーン数の問題で難しいのだろうが、劇場を含めて(例えば書店で効果を上げているように、"その劇場お勧めの作品"を手作りの宣材でアピールするとか)洋画業界全体で協力態勢を敷いて、面白い作品をアピールしていく必要があるのではないかなあ、なーんて無責任ながら考えてしまいましたよ。




ポスタ- A4パターンB 死霊館 光沢プリント

by broncobilly | 2013-11-06 06:37 | 映画評
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