おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新号
https://www.amazon.co.jp/キネマ旬報-2018年11月上旬特別号-No-1793/dp/B07HSLVBTN/ref=sr_1_3/357-6990759-6652933?s=books&ie=UTF8&qid=1540598296&sr=1-3&refinements=p_lbr_one_browse-bin%3Aキネマ旬報
外部リンク
最新の記事
以前の記事
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

「ハンガー・ゲーム2」(The Hunger Games: Catching Fire, 13)

 全米大ベストセラーのヤング・アダルト小説シリーズ映画化第2弾。ドナルド・サザーランド大統領が支配する世界で、民衆の娯楽、慰撫、見せしめのために行われる"ハンガー・ゲーム"で生き残ったジェニファー・ローレンスとジョシュ・ハッチャーソンが、二人の抹殺を目論む大統領が仕組んだ"ハンガー・ゲーム・チャンピオン大会"に挑む。

 前作にはあまり感心しなかったので、期待せずに出かけたところ、まず場内に人が良く入っていたので驚いた。1作目を初日に見た時は数えるほどしかいなかったのに。劇場で両横に人が座っている状態で映画を鑑賞するのは久しぶりだった。左隣は母親と十代の娘で、新しい登場人物が出てくるたびに囁き声で言葉を交わしたり、ハラハラさせる場面になると一々反応している。前作を観ているか、原作を読んでいるか、いずれにせよシリーズのファンで大いに楽しんでいる様子。こういう人たちだと、不思議なもので私語が全く気にならない。
 一方右隣は、何かの間違いで入ってしまったらしい初老の女性で、途中で何度も寝息が聞こえてきた。ラストでは「あら、終わっちゃったよ!」と呟いて足早に出て行った。

 では、ぼくはどうだったのかというと、左隣の母娘ほどではないだろうが、この2作目はかなり楽しむことができた。

 前作から続投の俳優たちが、役に馴染んできている上に、それぞれのキャラクター、特にローレンスとハッチャーソンのコンビと言うべきか、カップルと言うべきか、のキャラクター描写が深くなっている。リアム・ヘムズワースを加えた三角関係の微妙なドラマもなかなか面白い。

 初登場の役者たちも好演している。フィリップ・シーモア・ホフマンは、もったいぶっているばかりでつまらんなあ、と思っていたら、ほほう、そういうことですか。久々に見るアマンダ・プラマーが、この人にしかできない演技を披露しているのも楽しい。注目株のジェナ・マローンも、脇役ながらきちんと個性を出している。

 ハンガー・ゲーム・プレイヤーたちの前に立ちふさがる障害に前作よりも工夫がされているのも有難い。猛毒の霧で体が爛れても、水で洗えばOK、みたいなご都合主義は相変わらずだが、少なくとも前作にあった、コンピュータで合成したイメージが実体化してヒロインを襲う、みたいな、あんまりな設定がないだけマシである。そんな技術があるんなら、独裁者なんでもできるじゃん!

 一つ疑問だったのは、ハンガー・ゲームを誰が観ているのか、というあたりが曖昧だったこと。大統領と孫娘とホフマンが観ているカットしか出てこない。国中の人たちが観ているのではないのか?
 まあ、リアリティ・ショー・テーマの「トゥルーマン・ショー」(傑作)とか「バトルランナー」(愚作、嫌いではない)みたいに、視聴者たちの反応がしょっちゅうインサートされると、確かにわざとらしくなるし、映画の観客がハンガー・ゲームの内容に集中しにくくなるから、これでもいいのかなとも思う。ただし、ヒロインが"手を汚す"瞬間を国民に見せようとする大統領の目論見が成就するか否かの見せ場が、視聴者の反応を全く描かないためにいくぶんピンぼけになってしまっているのは否めないと思う。

 いずれにせよ。「トワイライト」サーガみたいに、次作につきあうのは苦痛だけど、うっかり1作目を観ちまったからなあ、早く最終作にならないかなあ、などとは思わずに済んだ。ジュリアン・ムーアも登板決定という最終2部作が楽しみである。




ポスタ- A4 パターンH ハンガー・ゲーム2 燃え広がる炎 光沢プリント






 読んでしまおうかな、と一瞬思ったけど、次の映画を待ちます。

ハンガー・ゲーム3 上_マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)
スーザン・コリンズ
メディアファクトリー
売り上げランキング: 12,513

ハンガー・ゲーム3 下_マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)
スーザン・コリンズ
メディアファクトリー
売り上げランキング: 9,422


by broncobilly | 2013-12-28 12:51 | 映画評
<< 「プリズナーズ」(Prison... 「ザ・コール[緊急通報司令室]... >>