おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(Thor: The Dark World, 13)

 マーベル・ワールドの最新作、と言っても、もうすぐあとに「キャプテン・アメリカ」の新作も控えているので、その意味ではありがたみは薄い。

 ヒロインであるナタリー・ポートマンに9つの世界を征服する強力な武器となるエネルギーが憑依してしまうという、なんともはや便利な設定で、主人公ソー(クリス・ヘムズワース)はジェーンに宿ったエネルギーを狙う闇の王マキレス(クリストファー・エクルストン)と死闘を繰り広げることに。その過程において弟であり宿敵でもあるロキ(トム・ヒドルストン)と共闘することになるのだが・・・。

 開巻早々、主人公と仲間たちの異界での戦いが描かれ、ホーガン(浅野忠信)は一旦ここで退場となる。これはかなり重要な伏線なのでは?と思っていたのだが、ホーガンはクライマックスに傍観者として一瞬ちらりと映るのみ。もしかして厄介祓いか?と思ったら、監督によると尺の都合とのことでひと安心。

 そのあとは主に神々(?)の住むアスガルドやタイトルにもなっているダーク・ワールドを舞台にあれやこれやと見せ場が続くわけだが、この手のC.G.I.便りの異世界バトルには食傷気味なので少しばかり退屈してくる。同じC.G.I.バトルなら地上でやってくれた方がまだ面白いと個人的には思う。

 前作のケネス・ブラナーに代わってメガホンを取ったアラン・テイラーの演出にも、特に感心すべきところはないし、脚本もなんだかごちゃごちゃしている。

 それでも、いよいよソーとロキの共闘が始まると、ロキというキャラの魅力もあって調子が整ってくる。

 かくてクライマックスの一大バトル場面となるわけだが、「アベンジャーズ」であそこまで派手に市街戦を展開してしまったので、今後のマーベル映画ではそれぞれのクライマックスを差別化していくことが、さらに困難になるだろう。

 「ダーク・ワールド」では空間の歪みのために、戦闘が9つの世界を行き来しながらめまぐるしく行われるのが工夫である。それだけなら大して面白くないかもしれないが、マーベル映画の持ち味である素っ頓狂なユーモアとのカクテルでなかなか味わい深く笑わせてくれるのは結構である。ヒロインの友人を演じるカット・デニングスは1作目でも面白かったが、1作目や「アベンジャーズ」とはがらりと変わって、すっかりお笑い担当となったステラン・ステラスガルドの怪演が愉快である。

 他の出演者ではご贔屓のクリス・オダウドが、お得意のくさくてくどい(←褒め言葉)芝居を封印して、軽く演じているのがなかなか好印象的だった。

 のんびりと2時間弱を楽しむにはうってつけの娯楽作だが、それにしても今後に続く展開や残る謎が多すぎるのはいかがなものかとは思うぞ。

 エンドクレディットの途中での一芝居にはオスカー俳優が演じている新キャラがいきなり登場するし。

 つまり、このシリーズってか、シリーズ群が構成する作品は全部観ろ!ってことか。まあ、すっかり乗せられて、とりあえず「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」にもいそいそと出かけることになるのだろうが・・・。




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 恒例の決算特別号。と言うことで連載はお休みですが、ベストテン(外国映画部門)に参加させてもらっています。



by broncobilly | 2014-02-05 06:45 | 映画評
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