おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新号
https://www.amazon.co.jp/キネマ旬報-2018年6月下旬号-No-1782/dp/B07D32923K/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1528243400&sr=8-2&keywords=キネマ旬報+雑誌
外部リンク
最新の記事
「ザ・プレデター」(The ..
at 2018-09-15 16:55
HARD TIME(第一話パ..
at 2018-09-08 10:49
「アントマン&ワスプ」(An..
at 2018-08-31 17:23
以前の記事
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

「ホビット 竜に奪われた王国」(Hobbit: The Desolation of Smaug, 13)

 ガンダルフ(イアン・マッケラン)、ビルボ(マーティン・フリーマン)と仲間たちの旅が続くわけだが、クライマックスまでは、ぼくには前作よりも楽しめた。

 前作自体決して悪い出来ではなかったのだが、危機→脱出の繰り返しをいささか単調に感じたのである。

 今回も基本的にはそうなのだが、アクションがバラエティに富んでいるのが有難い。特に中盤の川下りの活劇など、視覚的に面白いし、スピード感があり、またユーモアもある。

 もう一つ、有難いのは原作にない設定や登場しない人物が物語に深みを加えていること。旅の仲間であるドワーフの一人キーリ(エイダン・ターナー)とエルフの女性戦士タウリエル(エヴァンジェリン・リリー)そして「ロード・オブ・ザ・リング」でお馴染みのレゴラス(オーランド・ブルーム)の三角関係を、ピーター・ジャクソンは驚くほど繊細で丁寧な演出で綴っていく。

 しがない渡し人、実は・・・というバルドも面白いキャラクターである。演じているルーク・エヴァンスは「オンリー・ゴッド」の主役を依頼されたが、撮影スケジュールがかぶっていた、こちらの方を選んだとのこと。正しい決断だと思う。

 手放しで褒めたいところなのだが、クライマックスで今回の目玉である竜、スマウグが暴れ出すあたりから失速する、じゃなかった、加速しすぎる、ような気がする。

 卓越した映像センスと最新のC.G.I.技術で大変な迫力とスペクタクルが続いていくのだが、ピーター・ジャクソンが、"自分がスクリーン上に描けてしまうこと"に淫してしまっているように思われるのだ。

 「トランスフォーマー」シリーズや、「トランスフォーマー」と比べれば、人物造形やドラマ性はずっとしっかりしている「マン・オブ・スティール」のクライマックスにもそれを感じた。センスのある人が、なんでも描ける、という時にこそ、ある種の抑制が必要になるのではないか。めちゃくちゃをやっているようでいて「アベンジャーズ」のクライマックスには、ぎりぎりの抑制が効いていたと今にして思う。

 スマウグとの戦いをもう少しだけ短くして、腹八分目、とはいかなくても、腹9.5分目くらいにしておいた方が、ラストもキマったはずだ。
 

 とまあ、文句を書いてしまったが、長尺を堪能させてもらったことは間違いないし、完結編の出来が良ければ、すべて結果オーライなのだが。




ポスタ- A4 パターンB ホビット 竜に奪われた王国 光沢プリント



『ホビット 竜に奪われた王国』 【ミニバスト】 レゴラス
ジェントルジャイアント (2014-12-31)
売り上げランキング: 159,170








ホビットの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)
J.R.R. トールキン
岩波書店
売り上げランキング: 1,519


ホビットの冒険〈下〉 (岩波少年文庫)
J.R.R. トールキン
岩波書店
売り上げランキング: 1,826



 

by broncobilly | 2014-03-02 06:29 | 映画評
<< 「ザ・イースト」(The Ea... 「オンリー・ゴッド」(Only... >>