おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「アナと雪の女王」と「LEGO (R) ムービー」も観ましたよ。

 劇場で観た映画については、ほとんどすべて何かこのブログに書くことにしているが"ほとんどすべて"であって、"すべて"ではない。
 キネ旬に批評を書く場合とか、あまりにもダメダメな邦画で書く気になれない時とか(洋画だと書いちゃうけど、邦画だとなんか悪いような気がしてしまう)、「LIFE!」みたいに、あまりにも可もなく不可もなく、で自分的には書きようがない時とか(無理すれば書けるが、その気になれない)、自分なんかよりずっとちゃんと書けそうなマニアの多いアニメ映画を観た時とかである。
 そうです。特に洋画のアニメはこれでもマメに観てるんです。

 大評判となっている「アナと雪の女王」も初日に劇場に駆けつけて大いに楽しんだ。楽しんだのだけれど、ぼくは「塔の上のラプンツェル」の方が好きだったなあ、というのが正直な感想である。

 エルサがLet It Goを歌い踊る場面は、楽曲のみならず、アニメの素晴らしさもあって圧倒的である。抑圧されてきた欲望や力を"ありのままに"解放する幸福感が画面を満たす。

 だからこそ終盤の収め方が物足りない。物語をきちんと収束させて、エルサは自らのパワーで、国民のためにスケートリンクかなんかを作って満足している。
 いいのか?

 宮崎駿だと、ヒロインの自己実現と恋愛は常に矛盾するので、「ナウシカ」、「もののけ姫」みたいに恋愛は成就しないままに終わるか、「コナン」、「ハウル」、「ポニョ」みたいに、恋愛の成就こそがヒロインの自己実現の手段、となる。

 「アナと雪の女王」は、そのあたりがちょっと曖昧な気がする。エルサに女性の自己実現の可能性を託しつつ、アナに恋愛パートを任せるという"ディズニー史上初のダブル・ヒロイン"の仕掛けが、ちょっとばかり鼻につくのですよ。

 あと、途中から全くミュージカル要素が消えてしまうのも、残念だったなあ。

 楽しく優れた作品であることに間違いはないのですがね。

 で、「アナと雪の女王」の陰に隠れて(?)ひっそりと(??)上映されているのが「LEGO(R)ムービー」。
 いやあ、これは楽しかった。映画館でこれほど楽しかったのは久々です。

 この作品の監督コンビが撮った「くもりときどきミートボール」も、その続編も楽しかったし、「21ジャンプストリート」も笑わせてもらったが、今回が最高。

 とにもかくにもストーリーとギャグの展開が速い。一つのジョークに反応して、笑おうかな、と思う間もなく次のジョークが投入される。

 ワーナー作品なので、DCコミックスのキャラ(レゴだけど)総登場なのだが、稼ぎ頭のバットマンが主役級で、スーパーマンや、実写映画化が進行中のワンダーウーマンが見せ場をもらっているのに、映画が大コケしたグリーン・ランタンの扱いがぞんざいすぎるのが馬鹿に可笑しい。狙ってやってるんだろうが。

 と同時にレゴなので、他の会社のキャラも登場できる。「スター・ウォーズ」ネタは豪快である。ハイパードライブは大切だ。

 "選ばれし者"とか言ってるので、またまたヒーロー礼賛かなあと思っていると、ヒーローも大切だけど、みんなで協力してきっちりと作業を進めるのも大切だよね、という地に足の付いたテーマもあり、でも想像力もやっぱり大事だね、とメッセージが重層的でもある。

 笑いながら観ているとラスト15分は意外な展開となり、ほろりとされられて、"いい話"で終わるのかなあ、と思っていると、最後に豪快なオチが決まる。

 近場の劇場ではどこも吹替版のみ上映。声優陣は大健闘だったが、ウィトルウィウスは(特に幽霊になって糸でボヨヨ〜ンと吊られるようになってからは)やっぱりモーガン・フリーマンの声で聞きたかった。

 とまあ、めずらしくアニメについて書いたのは「LEGO(R)ムービー」観といた方がいいですよ、と言いたかったからです。




Frozen (Deluxe)



Lego Movie

by broncobilly | 2014-03-28 06:32 | 映画評
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