おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「フライト・ゲーム」(Non-Stop, 14)

 「蝋人形の館」には、まったく感心できなかったものの「エスター」が予想外の面白さで注目したジャウマ・コレット=セラが、これもなかなか面白かった「アンノウン」にも主演したリーアム・ニーソンと再タッグを組んだサスペンス・アクションで、欧米では「アンノウン」同様、予想を上回る大ヒットとなった。

 旅客機に乗務中の航空保安官ニーソンの携帯電話に謎の相手から連絡が届く。指定の口座に1億5千万ドル振り込まないと、20分ごとに機内の人間を一人ずつ殺していくというのだ。
 脅迫犯の正体を探り、乗客たちの安全を確保しようとするニーソンだが、犯人の指定した口座が自分自身の名義になっていることがわかり、またアルコール中毒などの問題も抱えているところから、彼自身がハイジャック犯/殺人犯だと誤解され、追い詰められていく。

 序盤の状況設定の部分がちょっとばかりもたもたしていたが、一旦話が軌道に乗ると、まさに原題通りノンストップの面白さで、まさに息つく暇もない。

 突飛な設定で、突っ込みどころも満載なのだが、本格ミステリというのは、そういうものだ。そう、この作品は、アクションも豊富で、航空パニックものとしても、しっかりとしているのだが、なによりも犯人の謎、目的の謎、動機の謎、手段の謎、と四拍子揃った本格ミステリになっているのが嬉しい。

 そして、どの要素もミステリというジャンルの約束事の範囲内で、実にフェアに描かれている。きちんと伏線も張られており、観客にはあらかじめヒントは与えられる。犯人の動機は意外なものだが、時事的にはアクチュアリティの充分に感じられるものだ。

 アクション・ヒーローがすっかり板に付いたニーソンは例によって例の如き大暴れ。体が大きいので、狭い機内でのアクションに特別な面白さが生まれている(ニーソンの体が大きすぎるので、機内のセットは実物よりもほんの少しだけだが大きく作ったとの由)。

 乗客/乗務員=容疑者の面々も過不足なく造形されている。ニーソンの協力者となるジュリアン・ムーアは今回は軽く演じていて、そこがいい。
 アフリカ系のフライト・アテンダントが出ていて、あれ? どこかで見たことが…、と思ったらルピタ・ニョンゴだった。

 主人公の再生というサブプロットは、ありきたりのものといってしまえばそれまでだが、乗客の少女とのふれ合いや、小道具となるリボンの扱いなどで厚みを増している。なによりもニーソンがアクションだけではなく、ドラマもしっかりと演じられる俳優なので効果を上げているのである。

 クライマックス場面のC.G.I.による飛行機が、安っぽく、作り物めいているのが減点ポイントだが、全体としてみれば、ここまで楽しませてくれれば充分及第点。コレット=セラとニーソンがまたまた組んだRUN ALL NIGHTが待機中ということで、こちらも楽しみになってきた。




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by broncobilly | 2014-09-06 15:04 | 映画評
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