おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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西の方へ行ってきたよ。「荒野はつらいよ〜アリゾナより愛をこめて〜」+「西遊記〜はじまりのはじまり〜」

 「荒野はつらいよ」は観ていて、つらかった。

 西部劇のスプーフというのは、アメリカの喜劇俳優が一度は通らねばならない関門なので、セス・マクファーレンが、ここらで1回、と思ったのも理解できるのだが、うーむ、どうにも弾まないぞ。 

 ジョークが一々下品すぎる(というか、汚い)とか、そもそも話がつまらない、とかも苦しいところなのだが、なんと言ってもマクファーレンに"映画俳優"としての華がないのがキツイのである。
 
 この人は基本的にはギャグ作家であり、スタンダップ・コミックなのだなあ、としみじみ思った。「腰抜け二丁拳銃」(古いね)のボブ・ホープも基本的にはスタンダップ・コミックだが、それでも惜しみなく体技を繰り出していた。

 「荒野はつらいよ」のマクファーレンは、基本的にちょっとした言葉で笑わせるのが基本で、そのために場面の進行がぶつ切りになってしまっている。ジョークのオチを言ったら場面が切り替わるというパターンが多く、ブラック・ジョークと下ネタを切り貼りして一本の映画にしたという感じである。

 「テッド」では動きの方はぬいぐるみのクマさんに任せて(これは可笑しいよね)、あとは得意技である声の演技に徹していたわけで、だから成功したのではないかなあ、と今回は思ったよ。

 ヒロインはシャーリーズ・セロンで悪役はリーアム・ニーソン。二人とも健闘しているし、カメオ人も豪華なのだが、やっぱり主役に勢いがないので、なんだか歯がゆかった。

 とまあ、いろいろとひどいことを書いてしまったが、「西遊記〜はじまりのはじまり〜」を鑑賞した直後だっので、必要以上に点が辛くなってしまったのかもしれない。

 下品ネタ、不条理ネタ満載で古典的世界を再構築、というベクトルは「荒野はつらいよ」と同じなのだが、こちらは腰が据わっている。チャウ・シンチーは監督と脚本のみで出演してないのだが、主人公の玄奘を演じるウェン・ジャンは容貌もシンチーに似ていて、若ければ絶対シンチーが自分で演じていたであろう役柄を、ほぼ完璧に演じている。

 新進女優の登竜門となることも多いシンチー作品だが、今回はなんとヒロインに、マハやベテランと言っていいスー・チーを持ってきた。ん? なぜ今スー・チー? と思ったが、久々に銀幕で観るスー・チーが実によいのです。もともとアクションはできる人だが、年齢を重ねても可愛らしさは失われていない。笑わせて、動いて、健気で、泣かせて、と、この人はこんなに良い女優だったかなあ、と改めて感心した。

 シンチー作品らしく、冒頭の川妖怪との場面から、エキストラ一人一人に至るまで"イイ顔"の人たちばかりで、惚れ惚れと観てしまうのだが、ウェン・ジャンとスー・チー以外の登場人物たちの造形も一々素晴らしい。中でも虚弱王子、じゃなかった、空虚王子には笑わせてもらいました。

 孫悟空のホアン・ボーもいいなあ。スー・チーに踊りを教える場面では、二人ともマジで笑ってますよね。それをそのまま本編に入れちゃうシンチーは、やっぱり凄い。

 なんか懐かしい曲がかかるなあ、と男もっいたら「柔道一直線」ですか。そしてラストは…。

 こっちはぜひとも続きを観たいです。




ポスター A4 パターンE 荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて 光沢プリント



【チラシ2種付 映画パンフレット】 西遊記 はじまりのはじまり



 「キネマ旬報」最新号。連載は「ミクロの決死圏」秘話です。

キネマ旬報 2014年12月上旬号 No.1677

キネマ旬報社 (2014-11-20)


by broncobilly | 2014-11-23 10:05 | 映画評
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