おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「フューリー」(Fury, 14)

 第二次大戦末期のヨーロッパ戦線。シャーマン戦車"フューリー"号に部下たちと乗り込んだ"ウォー・ダディ"(ブラッド・ピット)の死闘を描く。

 もう何と言うか,言葉にできないほど酷かった(言葉にしてブログに悪口書いたけど)「サボタージュ」を観てあまり日が経っていないので,おっかなびっくりでかけたのだが,こちらは上出来であった。

 まず、デヴィッド・エアー監督が,今回は自分で手がけたシナリオが手堅い。
 キネ旬最新号の座談会でも指摘されているが、あきらかにメルヴィルの『白鯨』を下敷きにしている。ピットがエイハブ、信心深い部下シャイア・ラブーフがスターパック、新兵のローガン・ラーマンがイシュマエルだ。

 ウォーダディはなぜかドイツ語を流暢に話し,過去にも謎めいたところが多いのだが、そのことがこのキャラクターを深みのあるものにしているし、ピットも渋く好演している。

 戦闘場面の迫力は相当なもので、こちらは「サボタージュ」とも共通するが,肉体破損の描写もたっぷり。スローモーションこそ使われていないが、暴力描写の感覚や、エンドクレディットに大戦当時の実写フィルムが使われているあたり、サム・ペキンパーの「戦争のはらわた」にも、エアーは相当影響を受けているのではないか。

 占領した村でのドイツ人女性たちとの挿話やピットと部下たちの間のドラマが,戦闘場面を邪魔せず、作品の流れにメリハリを付け、むしろ衝撃を強めるような効果を上げているのもよい。

 エアーの演出は,戦闘場面のみならず,ドラマ部分でも緊迫感を持続させている。

 クライマックスは意表を突いて,たった一台の戦車を砦にしての籠城戦。もっと戦車同士の対決を見せて欲しかったような気もするが、これはこれで凄まじい見せ場になっている。

 スコット・イーストウッドも出演。早々と退場になってしまうが、ピットと一緒に戦車に乗っている場面なんか、「戦略大作戦」での父クリントの勇姿を思い出したりした。




フューリー



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by broncobilly | 2014-11-30 14:19 | 映画評
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