おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「エクソダス: 神と王」(Exodus: Gods and Kings, 14)

 旧約聖書「出エジプト記」の映画化。モーゼはクリスチャン・ベイル、エジプト王ラムセスがジョエル・エドガートン、先代王がジョン・タトゥーロとは意外だったが案外と似合っていた。シガーニー・ウィーバーとベン・キングズレーが芝居のしどころのない役で不思議だったのだが、エンド・クレディットでは二人まとめて名前が出てきたのでゲスト的な扱いなのか。

 海の向こうではイロイロと論議を呼んでいるようだが、クリスチャンではない自分としては、ひたすら抹香臭い話を長々と見せられると困るなあと思っていたところ、テンポのよい娯楽作品に仕上がっていたので安心した。

 ヘブライ人の信仰する神がエジプトにもたらす災いの数々も最新のC.G.I.でリアルに描かれている。56年版の「十戒」のように紅海が真っ二つに割れるようなことはないし、十戒そのものも双葉十三郎先生が56年版のこの場面を描写したように「マイティ・マウスの空飛ぶ円盤みたいなのが、ひゅっと飛んで来て岩にぶつかると、キレイな文字がドリルされていく」などというのではなく、モーゼがコツコツと岩に彫っていく。神とモーゼの対話そのものが、モーゼの心象風景であるとも取れるような描写になっているのだ。このあたりも「出エジプト記」と聞いて聖書よりもメタリカのCREEPING
DEATHを思い出して嬉しくなる、ぼくのような信仰薄き人間にも楽しめた要因か。

 だいたいスコットは、「デュエリスト/決闘者」、「ブレードランナー」、「エイリアン」、「グラディエーター」と、強烈な個性を持つ二人の(人じゃないのも混じってますが)対決する、という構図の作品だと面白くなる。

 そしてぼくは、リドリー・スコットが本当に興味を持っているのは、人が(人じゃないのも混じってますが)死を目前にして命を燃焼させ尽くす瞬間なのだ、とずっと前から思っている。「1492 コロンブス」なんて、悪役マイケル・ウィンコットが華々しく散る場面に一番力が込められていたし、「白い嵐」も海難事故で少年たちが死んでいく場面をじっくりと嬉しそうに撮っていたもんな。

 というわけで、モーゼとラムセスの対立、対決、そして紅海の波にラムセスが呑まれていく描写の素晴らしさあたりが、「エクソダス」でも際立っている。
 もっとも、その後ラムセスがひょっこりと無事な顔を見せるので、あれあれとなるのだが、まあこれは仕方がない。

 役立たずの学者とか巫女とかを、ラムセスがあっさり処刑するあたりはテンポのよいカッティングでブラック・ジョークの味わいもあり、こういう大マジメに作っている作品でおふざけがあると馬鹿に可笑しくなる。

 リドリー・スコット作品の中で上位のものとは思わないが、80才近くになっても相変わらずパワフルで、ねちっこいスコットの演出を堪能できたのは確かだ。




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by broncobilly | 2015-01-31 17:04 | 映画評
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