おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(What We Do in the Shadows, 14)

 英国の権威ある映画誌「エンパイア」が、オスカーを受賞、ノミネートされたような作品群に交えて一四年度のトップ10に選んだことで、(一部では)話題となった低予算のホラー・コメディ。

 東京では1月に公開済みだが、満を持して(?)静岡で公開。おそくなろうと、この小傑作を劇場のスクリーンで観られたのだから有難いことです。

 ニュージーランド、ウェリントンで共同生活を送る四人(後にプラマイあり)のヴァンパイアたちの日常を追ったフェイク・ドキュメンタリの体裁を取っている。

 最初のうちは、どんなノリなのかよくわからず、戸惑いつつ観ていたのだが、そのうちじわじわと面白くなり、やあ、久々に笑わせてもらいました。

 ヴァンパイアたちの性格やキャリアもきっちり描き分けられているので、一つ一つの小ネタが効いてくる。

 最古参のヴァンパイアが、まんま「ノスフェラトゥ」(22)なのもバカに可笑しい。

 ヴァンパイアたちのサークルに、ある事情でストゥという男が一人加わるのだが、この男の存在が物語世界を広げている。脚本の巧さだ。血色がよくて、ほっぺなんか赤くて、吸血鬼たちは襲ってしまいたくなるのだが、あまりにも善人なので大切にする、というギャグが最後まで生かされている。
 ストゥの人気に嫉妬。

 めちゃめちゃ低予算なのが伝わってくるのだが、特撮のセンスがいいので安っぽい感じがしない。

 サゲも豪快に決まっております。

 昔々、新宿にあったマッチ箱みたいな劇場で、はじめてピーター・ジャクソンの映画(「ブレインデッド」)を観た時のことを思い出した(N.Z.だし)、安っぽくて、バカバカしくて、ひたすら下品なのだけど、あちらこちらに本当の才能の煌めきが感じられるのだ。

 監督・主演を兼ねるコンビ、タイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントにはこれからも期待したいっす。




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by broncobilly | 2015-03-26 08:39 | 映画評
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