おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「フォーカス」(Focus, 15)

 仲間たちと共に大規模な仕事で荒稼ぎを続ける詐欺師ニッキー(ウィル・スミス)は、ある日自分をカモにしようとした美女ジェス(マーゴット・ロビー)を仲間にする。ジェスは詐欺師として頭角を現し、二人は引かれあうようにもなるのだが、東洋人の富豪(B.D.ウォン)から大金をだまし取った直後に、なぜかニッキーはジェスを仲間から外し置き去りに。
 3年後、レース・チーム・オーナー、ガリーがの依頼で大仕事に手を染めようとするニッキーの目の前に、ガリーガの愛人となったジェスが現れる。

 アメリカ本国では、批評的にも興行的にも、「ウィル・スミス主演作としては物足りない」と低調だった作品。
 だけど、ぼくには結構楽しめました。
 スミスとか、ブラピとか、トム・クルーズとかのスーパースターになってしまうと、主演作は軒並み湯水のように製作費をかけたC.G.I.たっぷりのSF、アクション、アドベンチャーか、「役者魂があるから、ギャラは度外視して、こんな作品にも出てるんだぜ!」みたいな異色作のどちらかになってしまう。
 中程度の規模で製作費や特撮よりもアイデア勝負の、肩の力の抜けたような娯楽作で、カリスマのあるスーパースターの演技を楽しめることは案外少ないのである。

 「フォーカス」は、なんてえことのない内容で、特にクライマックスのツイストなどは、映画ファンなら気づいてしまう人も多いようなもので、そもそもあの詐欺映画の名作(以下伏せ字)。

 それでも、ちょっとだけ渋みの出て来た、でも相変わらず溌剌としたスミスと、ピチピチとしたロビーのやりとり、駆け引きは楽しいし、脇の人物もしっかり描き込まれているし、詐欺の手口の見せ方にミク風がある。
 スミス一味は詐欺師集団という触れ込みだが、集団スリじゃあないの、という感じもあって、最初の方の描写はジェームズ・コバーンが主演していた「黄金の指」を思い出したよ。

 監督・脚本のグレン・フィカーラ+ジョン・レクアはシナリオにも演出にも洒落っ気があってよろしい。
 東洋人富豪をカモにするシークエンスでの、ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」の使い方は、んなわけねえだろ、と心の中では突っ込みつつ、笑わせてもらった。

 ニッキーがジェスを捨てた理由が、別の人間ドラマとの関わりの中で間接的に説明されるラストに、しんみりとした味があるのもよい。

 悪い評判を聞いて期待せずに出かけたので、ここちよく騙されました。




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 「キネマ旬報」最新号。連載は"役者"シナトラ。 

キネマ旬報 2015年5月下旬号 No.1688

by broncobilly | 2015-05-04 05:34 | 映画評
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