おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「メイズ・ランナー」(The Maze Runner, 14)

 ベストセラー三部作、第一作目の映画化。
 少年たちだけが暮らす草原、グレイズ、に送り込まれたトーマス(ディラン・オブライエン)。そこで共同生活を送る少年たちも、トマス同様、自分の名前以外の記憶を失っている。
 草原は壁でおおわれており、壁に入り口はあるが、中は迷路になっていて怪物もいるらしい。迷路の内部と脱出口を探すために選抜された少年たち、メイズ・ランナー、たちにも突破口は見いだせずにいた。
 自分の過去とグレイズの正体を探ろうとするトーマスは、やがて自らもメイズ・ランナーに…。

 最近FOXで放送が始まった「ウェイワード・パインズ」の初回(M・ナイト・シャマランが監督している)を観て、結末が気になって仕方なくなり、原作を購入して読んでしまった。日本でも売れた本なので、グレイズの秘密とウェイワード・パインズの正体が似ているのかどうかなんてことは書くわけにはいかないのだが、うーん、設定というか発想に共通するものがあるのは確かである。

 考えてみれば、この手の作品は以前からあったし(「キューブ」とかね)、そもそも、自分の意思ではなく、わけのわからない過酷な世界に放り込まれ、なぜそこにいるのか、そこで生きねばならないのか理解できず、脱出したいけれど外の世界には何があるのかわからなくて怖い、というのは、すべての人間に共通している普遍的状況である。突飛でもなんでもないよね。

 ましてや、そんなことはなるべく考えずに、とりあえず生きている(生きようとしている)大人たちと違って、若者たちは人間存在の不条理を、ひりひりと感じながら日々を過ごしているわけで、そのあたりが「メイズ・ランナー」という作品の面白さに繋がっているのだと思う。

 そう、思いの外楽しめたのだ、この作品。きちんとやれば面白くなる設定を、いろいろと手を尽くしてきちんとやっているのである。

 トーマスの周囲の少年たちも、リーダー、友人、ライバル、主人公を慕う年少者などが適切に配置され、途中から少女も一人やって来る。多くの人が指摘しているように、明らかに『蠅の王』の影響を受けているが、それほどどろどろしたことにはならず、若者向け作品として適量の緊張感が集団内を満たしている。

 迷路を闊歩しているモンスターのデザインが、例によって例の如きものなので、登場した途端にちょっとうんざりしたが、ウェス・ボール監督の演出は手堅く、案外とはったりがない正攻法なので、アクション場面に見応えがある。

 主演のオブライエンは、精悍な面構えがよい。ずいぶん前のスターだがクリストファー・ジョージをちょっと思い出したよ。

 ラスト近くでグレイズの秘密は一応明かされるのだが、さらに新たな謎が提示され、続編に続く。

 これは原作を読むのを我慢して、続編を待とうと思う。




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 これも三部作。第一部が面白く、続きが読みたくて検索したら、原書ならAmazonプライム会員でKINDLEオウナーなら無料で読めることがわかった。有難いことです。二作目も面白かった。現時点で未訳の完結編も、来月(無料は月に一冊なので)読むつもり。
 「メイズ・ランナー」の世界観が好きな人には、絶対にオススメです。


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 とはいえ、このジャンルの最高傑作はやはり…。

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  最新号。連載はケイリー・グラントの着道楽のこと。

キネマ旬報 2015年6月上旬号 No.1689

キネマ旬報社 (2015-05-20)


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