おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「カリフォルニア・ダウン」(San Andreas, 15)

 アメリカを始め多くの国々で、これまでの
ドゥエイン・ジョンソン単独主演作としては最大のヒットになったものの、地震や津波の特撮が最大の見せ場なため、日本では突然公開が延期になったり、大規模なキャンペーンなどもないままに公開となった作品である。

 L.A.のレスキュー隊長ジョンソンが、筋力で大地震と巨大津波をねじ伏せ、妻カーラ・グギーノと娘アレクサンドラ・ダダリオを救う。

 静岡在住で地震に敏感にならざるを得ない、しかも3.11.後の日本人の一人としては、やっぱりキツイ。それだけ3Dで観たC.G.I.による地震、津波、都市破壊の描写が圧倒的だということだ。ビル群が軒並み倒壊するほどの揺れの中、全力疾走で避難する人々(立ってることさえ無理だろ)とか、揺れの後、ずいぶん経ってからやって来る津波とかはあり得ないと思ってしまったが。

 実際に人が死ぬ描写や、犠牲者の数などは、各方面に気を使ってか、これでもかなりぼかして描いている。

 人間ドラマの方は、なんというか、なんというかで、夫婦が離婚の危機にあり、その原因は過去に娘の一人を亡くしたことで、災害に直面するうちに夫婦の絆が甦るとか、妻の再婚相手(ヨアン・グリフィズ)は、主人公が劣等感を感じざるを得ないような金持ちとか、そいつが実は頼りにならないエゴイストとか、これまでに二万回くらい観てきたような"斬新"な設定づくしで呆れてしまう。ダダリオと行動を共にすることになる青年と幼い弟を英国生まれという設定にして、お上りさんなので街の地図など持っていて、これが案外役立つ、なんてのは、まだ工夫している方である。「クーデター」とか、この作品のようにサバイバルを真っ正面から描く作品の場合には、人間描写は型どおりであればあるほどいいのかな、と思わないこともないこともない。

 しかも、主人公が家族を救うことにほぼ専心するので、それが成功すれば街(というか、西海岸ほぼ全域)が崩壊して、無数の人が犠牲になっていても、なんとなくハッピーエンドになってしまうのは商売としては正解だろう。アメリカの原発は東部に集中しているとは言え、カリフォルニア州にもあるんですがね。このあたりは完全スルーですな。

 ぼくが小学生の頃に新宿プラザに友達と行ってセンサラウンド方式で観た「大地震」(74)は、チャールトン・ヘストンの主人公がエヴァ・ガードナー演じる妻がいるにもかかわらず、ジェヌビエーヴ・ビジョルドと愛人関係にあるという設定で、最後には妻の方を助けようとして自分も死んでしまう。子供心にはキツ過ぎる終わり方だった。大人心にもキツかったようで、後のテレビ放送用に、大勢の乗客を乗せたジャンボ機が着地に成功する場面を追加したり、復興への希望のトーンを強めるなど、明るめに作り直したバージョンが作られた。「月曜ロードショー」で、事情を知らずに、こちらのバージョンを観て驚いた記憶がある。

 それでも特撮だけでも観る価値はあるから…、とは素直に言えない。まあ、こちらの事情なんですが。

 ところでカイリー・ミノーグが、グリフィスの嫌みな姉の役で登場するものの、嫌みさを炸裂させる間もなくあっさり死んでしまうのに驚いた。


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by broncobilly | 2015-09-14 06:35 | 映画評
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