おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「ファンタスティック・フォー」(Fantastic Four, 15)

 製作中のトラブル、完成後のトラブル、公開後のトラブル(と大コケ)、と、いろいろとファンタスティックではないニュースが飛び込んできた作品である。

 期待せずに観に行ったら意外とよかった、と書きたいところだが、やっぱり駄目だった。

 いや、なかなか面白かったのだけど。終わりの三分の一くらいまでは…。監督と脚本が、小傑作「クロニクル」のジョシュ・トランクに決定!と知ったときは喜んでいたのだが、トランクの方向性はマーヴェル・ユニバースとは、少なくともマーベルが望んでいた方向性とは、相性が悪かったようだ。

 F4のメンバーを、前シリーズよりもずっと若く設定することで、突然超能力の持ち主になることを思春期における肉体と精神の変化のメタファーとして描く、というのは「クロニクル」と同じ。そのうち一人は、変化を乗り越えられずダークサイドへ…、というのも「クロニクル」。実際、トランクはF4を「クロニクル」の続編として構想していたとのこと(「クロニクル」の高校生たちに超能力を与えた隕石はプラネット・ゼロから来たものだったという設定)。

 というわけで、ファンタスティックなアクション場面がなかなか登場しないものの、主役の四人の苦悩や葛藤が、じっくりと描かれる中盤までは悪くない。

 ところが、悪玉であるドゥームが当時要する終盤になると、いきなりやっつけ仕事となる。
 メンバー間の葛藤(親友同士だったマイルズ・テラーとジェイミー・ベルの間の対立、与えられたパワーに酔いしれるマイケル・B・ジョーダンを危惧する義姉ケイト・マーラ)など、それまで描かれていたことがすべて吹っ飛んで、いきなり仲良しチームの誕生となる。

 そもそもDr.ドゥームだって、主人公たちにプラネット・ゼロに置き去りにされたから生まれたのだが、そのあたりの罪の意識なども、まったく描かれない。

 一番の見せ場となるべき対決場面も、色彩と音は派手だが、何の工夫もない。「クロニクル」を観たときには、アクション場面にコーフンしたのだが、その時のゾクゾク感はゼロだった。

 トランクが自分のセンスを全開にして撮影した主要アクション場面3カ所が、スタジオ側の命令でカットされて、公開版のクライマックスが追加撮影されたとのこと。うーん、そっちを観たかったぞ。

 マーベルのオフィシャル・サイトには、この作品への言及がまったく無いということで、完全に黒歴史扱い。

 少なくともトランクには、別のチャンスが与えられることを祈っております。




Fantastic 4

by broncobilly | 2015-10-11 06:47 | 映画評
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