おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「ゾンビ・ガール」(Burying the Ex, 14)

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 ジョー・ダンテの作品を劇場で観るのは、本当に久しぶりである。「HAWAII FIVE-O」の演出をたびたび担当しているので、テレビ監督に転身したのかと思っていた。

 オタク青年アントン・イェルチンの恋人アシュリー・グリーンが事故死。イェルチンにはアレクサンドラ・ダダリオ演じる新しい恋人が出来るが、元カノがゾンビとなって蘇ってしまい、まあイロイロと大変なことになるというホラー・コメディ。

 ほかにもクリストファー・リー、ヴィンセント・プライス、ピーター・カッシング、ベラ・ルゴシが出ています、ってか、テレビモニターに映ります。

 ポーの「アッシャー家の崩壊」、「ライジーア」ほか、"美女再生譚"の系譜につながる佳作であると断言しても、決して過言ではある。いやあ、ちよっと、これはなんとも…。

 今になってダンテに監督を任せるとは、酔狂な御仁もあるものだ、と思っていたら、冒頭にVOLTAGE PICTURESのロゴが登場。セガールやヴァン=ダムのクズ・アクション映画を粗製濫造している会社ですね。ここでもう限りなく嫌な予感が。

 とにもかくにも、金がかかっていない。「HAWAII FIVE-O」の一話分の方が、はるかに潤沢な予算を与えられてるはずだ。

 感覚的にも古い。登場人物がスマホを使っていなかったり、ブログを書いていなければ、八十二年製作です、と言われたとしても、まったく違和感なし。

 ロジャー・コーマンのインターナショナル・ピクチャーズでC級映画を作ることでキャリアをスタートさせたダンテ。きれいに一周してVOLTAGEでC級映画を撮ることになったということか。

 コッポラの最近作「ヴァージニア」も、IP時代に先祖帰りした作品だったが、あの作品は、キャンピーな感覚とコッポラのアート志向が不思議な化学反応を起こして、えも言われぬ幽玄の魅力を醸し出していた。

 「ゾンビ・ガール」はひたすらチープ。あえてチープな画面作りを狙っている、のではなく、ナチュラルにチープ。メイクも合成も演技もチープ。演出も以前より、下手になっているのではないか。

 だめ押しのショックシーンすら、構図からなにからありきたりなので、驚きまったくなし。

 「ゾンビがヨガをしたら」とかのジョークの数々も中途半端で、ラストもきれいにオチてないぞ。

 とまあ、悪口雑言を書きまくったが、ぼくはこの作品を、そのチープさと古くささを、大いに懐かしみ、楽しんだ。

 ディック・ミラーが登場したときには涙が出たよ。








 

by broncobilly | 2015-11-18 07:43 | 映画評
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