おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「ラプチャー 破裂」(Rupture, 16)

 シングル・マザーのノオミ・ラパスが、ある日突然拉致される。連れて行かれた場所では、謎の組織が被験者たちを極端な恐怖にさらすことで「破裂」させることを目指しているらしい。

 「セクレタリー」が、ちょっと面白く、「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス幻想のポートレイト」が、ちょっと心に残ったスティーヴンシャインバーグの原案/監督なので、ちよっと期待したのだが、前期に作に通じる奇妙な味はあるものの、これはいけませんでした。

 ほぼ全編が一人称になっている。と言って、POVというわけではなく、ヒロインがいる場所にカメラがあり、ヒロインに与えられる情報だけが観客にも与えられるという意味での一人称である。でありながら、最初の方でサスペンスを盛り上げるために、ヒロインを観察する何者かの視点が入ってきたりと統一が取れていない。

 秘密施設に連れてこられたヒロインが簡単に縛めを解いて、建物内部をうろうろと歩き回ってなんやかんやと目撃する辺りに一番尺を取っているのだが、この間、発見されるかどうかのサスペンスを全く盛り上げようとしないのはいかがなものか。実はそのことについては、後にとって付けたような説明があるのだが、それにしても、ただ動き回って目撃するだけでは間が持たない。第一、ヒロインが施設から本気で脱出するつもりがなさそうなのが不可解である。

 謎の組織の正体や目的については、一応説明らしきものがあるにはあるのだが、それでもやっぱり不得要領。

 もちろん、何から何まで説明する必要はないのだが、観客に背後にあるものをいろいろと想像させて怖がらせなくてはいけない。この作品は、前述のようになんやかんやとガタピシしているので、観客の想像力を刺激、というよりは、作り手側に自身の想像力をもっと刺激して欲しかったと望んでしまいました。

 ラパスは熱演しているが、組織側のピーター・ストーメアとマイケル・チクリスは、ギャラの分だけ仕事をしてさっさと帰りたいという風情だった。

 ポンコツぶりに呆れる、ということ自体楽しかったので、入場料分の価値はあった!と自分に言い聞かせています。




ポスター/スチール 写真 A4 パターン1 ラプチャー 破裂 光沢プリント

by broncobilly | 2017-07-11 06:32 | 映画評
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