おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「リベンジ・リスト」(I Am Wrath, 16)

 映画の冒頭、オハイオ州コロンバスでどれほど暴力犯罪の嵐が吹き荒れているかが、報道番組抜粋の形でモンタージュされるので、「狼よさらば」みたいな作品なのかなあ、と思っていると、主人公であるジョン・トラヴォルタの妻レベッカ・デモーネイが夫の目の前で惨殺されてしまう。やっぱりなあ、と思って観ていると様子がおかしい。どうやら、事件には黒幕がいる模様。というか、どうやら、どころかヒントが親切すぎて黒幕は最初から明らか。こいつが黒幕だと観客には思わせておいて実は…というようなどんでん返しもない。

 実は元特殊部隊の隊員だったトラヴォルタが、かつての相棒クリストファー・メローニと共に、妻の仇たちを捜して私刑にしようとする。トラボルタもメローニも元特殊部隊だけあって超人的に強い。なのに、どうして目の前でむざむざと妻を殺されてしまったのだろう、などと考えてしまっては負けである。

 肉体の方は超人的でも、頭脳の方は凡人並みかそれ以下の二人組で、敵側は繰り返しトラボルタの娘夫婦や孫を狙うのだが、ちゃんと手を打っていないので、そのたびにピンチとなる。仇を捜す方法や、倒す手段もなんだか行き当たりばったり。

 事件の真相を知るのも主人公が、家の中に無造作に置いてあった妻の遺品を見るからで、こんなの最初に探せよ!
 悪玉役で出演もしてるポール・スローンの書いたシナリオは破綻しまくっている。

 などと書いてくると、どうしようもないB級映画みたいで、まあ実際そうなのだが、主演がトラボルタで監督がチャック・ラッセルとなると、それほど酷いことにはならず、まあなんとか観ていられる。当初はニコラス・ケイジ主演、ウィリアム・フリードキン監督の企画だったとのことで、実際そっちを観てみたかった。それでも一応大手スタジオで大作映画をヒットさせたことのあるスタート監督の顔合わせなので、明らかに低予算でも、シナリオが酷くても、一応格好がついてしまうのはやはり大したものである。スティーヴン・セガールあたりの映画とは違う。チャック・ラッセル、職人として手堅い演出ぶり。

 トラボルタもさすがに貫禄があり、怒りを爆発させる場面などは、イロイロと弄りすぎて能面のようになってしまったご面相が妙な迫力を醸し出して、かえって効果的だったりもする。

 メローニの飄々とした感じも悪くない。

 屋敷を急襲して黒幕と対決するクライマックスは、手を抜いているというよりは、まあ予算の都合で軽くやるほかなかったのだろうが、ここで終わらせずに病院での一場面を付け加えているのが効いている。

 毒蜘蛛に噛まれるつもりで観に出かけたら(出かけるなよ)、蚊に食われる程度で済んでほっとしたので、そのこと自体がなんだかいい経験みたいに思えてきた、みたいな不思議な体験でした。




ポスター/スチール写真 A4 パターン1 リベンジ・リスト 光沢プリント

by broncobilly | 2017-08-03 07:25 | 映画評
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