おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「トランスフォーマー/最後の騎士王」(Transformers: The Last Knight, 17)

 トランスフォーマーたちとと共に、前作の(人間側)ヒーロー、マーク・ウォールバーグまでもが追われる身となっている世界で、トランスフォーマーたちの故郷であるサイバトロン星が地球に衝突しようとしていて、オプティマス・ブライムも洗脳されて人類の敵となっており、トランスフォーマーと人類との秘密の歴史を知るアンソニー・ホプキンスによるとウォールバーグこそが人類の救世主で、あとは、えーっと、なんだったかな? まあ、とにかくそんな映画です。

 「ザ・マミー」を観て、今年のサマー路ムービー最低作は決まったなと思っていたら、下には下があるものだ。「トランスフォーマー/最後の騎士王」と比べたら「ザ・マミー」だって「アラビアのロレンス」みたいに思えてくる。

 「ペイン&ゲイン」、「13時間/ベンガジの秘密の兵士」あたりの作品では、自分の演出スタイルを前者ではコメディに、後者では、よりがっちりとした「語り」に応用しようと模索しているようだったマイケル・ベイだが、「最後の騎士王」では完全に開きなおって、これまで以上に、とにかく派手な見せ場を矢継ぎ早に繰り出すことに専念している。爆発、破壊、格闘の無い場面が5分続いたら命を取られるとでも言わんばかりに。

 豪華なフルコースの料理を奢ってもらえるというので嬉々として出かけたら、スープを口に流し込まれて、呑み込まないうちにサラダを詰め込まれて、思わず吐き出しそうになったら、そのままステーキをねじ込まれて、味わう暇もなく窒息しそうになりながらデザートとコーヒーに辿り着いたら、もう一回サラダからスタートして2巡目が始まる、といった感じである。一つ一つの料理を味わう余裕が与えられない。

 こちらの感性が麻痺し、物語を追うことを断念した状態で、延々と光と音の洪水が続いていくのだ。

 緩急とかメリハリとか言った言葉とは一切無縁。第一作を観たときから、こちらも歳を取って、集中力、瞬発力、動体視力が著しく衰えたのはあるにしても、この演出と編集は、人間の生理を無視しているのではないだろうか。「時計仕掛けのオレンジ」で、暴力と破壊の映像を強制的な見せ続けられるマルコム・マクダウエルの気持ちがなんだか理解できた。

 一応、人間ドラマの要素も散りばめてあるのだが、表面をさっとなぞった程度で、「はい、次の爆発行きまーす」てな調子で画面が(ストーリーが、とは言えない)展開していくので、もうどうでもよくなってくる。

 ウォールバーグも周囲の状況に着いていくのが精一杯という感じ。

 ホプキンスは、英国の舞台出身俳優らしく「ための芝居」が巧い人なのだが、とにかくめまぐるしいので、やたら騒々しくのさばっているだけ、悪玉がこのキャラを吹き飛ばしたときには、正直心の中で快哉を叫んでしまったよ。

 新三部作の幕開けだそうで、いかにも「続きますよ」的なオマケもつくのだが、もう良いよ、てか、バンブルビーが主役のスピンオフだって〜。




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 最新号。連載はベティカーの続き。ほかにも「特集: 上半期を振り返る」で「大ヒット「ラ・ラ・ランド」激しく別れた賛否両論」と『日本ヘラルド映画の仕事 伝説の宣伝術と宣材デザイン』(スゴイ本です!)の書評を書かせてもらいました。

キネマ旬報 2017年8月下旬号 No.1754

キネマ旬報社 (2017-08-05)


by broncobilly | 2017-08-05 08:58 | 映画評
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