おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「スパイダーマン: ホームカミング」(Spider-man: Homecoming, 17)

 スパイダーマンを本格的にMCUに組み込んだ二度目のリブート。 トム・ホランドのピーター・バーカーとマリサ・トメイのメイおばさんは「キャプテン・アメリカ: シビル・ウォー」で紹介済みなので、ヒーロー映画第一作目にありがちな、どうやって超人的なパワーを手に入れたのか?的な部分を長々とやる必要がなく、いきなりメインのストーリーに入れて、ドラマチックな部分を強調できたのは善し悪しですな。その段取りの部分が面白かったりするし、「シビル・ウォー」でも、今回も「クモに噛まれた」という、とてもとてもアバウトなセリフで終わりというのはどうなのよ。今後の作品で説明されるのかもしれないけど。 

 それはともかくとして、今回は青春映画の作品を強くしていて、そのあたりが、ドッカーン、ドッカーンだけに飽きてしまった観客に受け入れられての(すでに公開された国々での)大ヒット、大好評に繋がっているのだと思う。実際、この青春映画的パートは、これまでのMCU作品にはなかったものなので、新鮮で楽しい。  

 予告編等では大きくフィーチャーされていたアイアンマン/トニー・スタークが、のさばりすぎていないのも有難い。 それにしても、と今回しみじみ感じたのはジョン・ヒューズのDNAということである。ジョン・ヒューズは九〇年代に入ると「ホーム・アローン」の化け物的ヒットによって、ぼくなどから見ると、とても残念な方向に行ってしまった人なのだが、それ以前に作っていた青春映画やコメディ映画の数々は本当に素晴らしかった。そして「ホーム・アローン」以降は、ヒューズ的な青春映画の伝統はほとんど途絶えていた。  

 それが「パワーレンジャー」がまるっきり「ブレックファスト・クラブ」なので驚いたり喜んだりしていたら、「ホームカミング」ではテレビのモニターに「フェリスはある朝突然に」が映し出されているのを見て、スパイダーマンが「良い映画ですね」なんていう場面があるんだよ。  

 ああ、そう言えば「フェリス…」も「ホームカミング」も、学校をサボる高校生の話、だよな。  

 ブラッド・パックとスーパーヒーロー映画は相性がいいらしい。この傾向、今後も続くと楽しいのだが。   

 で、ヒーロー・アクションのパートだが、やっぱりイロイロ頑張ったり、アイアンマンを引っ張り出してきてはいても、ここまで同種の作品の数が増えると、どこかで見たような、代わり映えのしないものばかりであることは否定できない(だからこそ、ドラマ部分を強めるのが最近の傾向なのだと思う)。 スパイダーマン名物、"糸"を駆使して摩天楼を縦横に移動する場面の疾走感、浮遊感も、サム・ライミ版には及んでいない。 

 そこで光ってくるのがバットマン、じゃなかった、バードマン、でもなかったヴァルチャーを演じるマイケル・キートンのベテランならではの存在感と昔と変わらぬテンションの高さが、ちょいと薄味で爽やか系のホランドといい対照になっている。 

 「ダーティ・ハリー3」(76)依頼のご贔屓、タイン・デイリーがちらりと顔を出しているのも嬉しかったので、全体としては充分に楽しめた。 

 今後のMCUでの活躍のみならず、次のスタンド・アローン作品での青春模様も楽しみにしたい(タイン・デイリーも、また出してあげてください)。



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by broncobilly | 2017-08-13 08:42 | 映画評
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