おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
by broncobilly
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「ジェーン・ドウの解剖」(The Autopsy of Jane Doe, 16)

 不可思議な惨殺現場で発見された身元不明女性の遺体'ジェーン・ドウ'が、父子で検死官を務めるブライアン・コックスとエミール・ハーシュのもとに運ばれてくる。記者会見前に結果を出して欲しいという保安官の依頼により、夜間に検屍を進める二人だったが、遺体内部には様々な拷問の痕跡があるにもかかわらず、外見からはそれがわからないなど、不審な点が次々と明らかになっていく…。

 というような設定だと、(1)超自然的なホラー
 (2)様々な謎に最終的には合理的な説明が与えられるミステリー・ホラー (3)SFホラー の三つの流れが予想されるわけだが、早々と可能性の一つが消え、続いてもう一つの可能性も消え、上記三つのうちのひとつであることがはっきりとする。

 後半か終盤で、もう一度ひっくり返ると面白いなとは思ったが、そこまで捻ったシナリオではなく、パターン通りのサゲであった。その他、怖がらせるためのあの手この手もパターン通りで意外性はない。

 では、つまらなかったかというとそんなことはなく、検屍の過程がそのまま「謎の解明→新たな謎の発生」の反復に直接結びついてスピーディーだし、「トロール・ハンター」で注目されたアンドレ・ウーヴデダルの演出も不思議な雰囲気を醸し出している。

 父親の役はマーティン・シーンが予定されていたのが、スケジュールの都合でコックスに交代したとのことだが、ぼくはコックスの渋い演技のファンなので、まったく問題なし。やはり巧い人だ。監督はコックスとハーシュが、亡き妻/母についての思いの丈をぶつけ合う場面が特に気に入っているとのことだが、確かに良い場面になっており、全体としても、ほとんどの場面が二人芝居であるコックスとハーシュの息が合っている。

 シチュエーションの面白さに、演出と演技の良さが加わっているだけに、シナリオにもう一押しあれば小傑作になっていたのになあ、とは思う。

 それでも、決して悪くはない。こういう小品をスクリーンで堪能するというのも、劇場での映画鑑賞の楽しみである。

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by broncobilly | 2017-09-14 08:24 | 映画評
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