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映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「レッド・スパロー」(Red Sparrow, 2018)

 負傷によりバレリーナとしてのキャリアを断たれたジェニファー・ローレンスがロシアのスパイとなり、CIAの工作員ジョエル・エドガートンに近づく。彼女は二重スパイとなってアメリカ側に付くのか? それとも?

 「ニキータ」にスパイ映画とセックスの要素をふんだんに加えたような内容で、「ニキータ」でジャンヌ・モローが演じていたような役を、シャーロット・ランプリングが演じている。他にもジェレミー・アイアンズやキアラ・ハインズといった渋めの配役が楽しめる。メアリー・ルイーズ・パーカーが意外な役で突然登場して、おおっ、と思ったが、やっぱり巧い。

 ダーレン・アロノフスキーとデヴィッド・フィンチャーが降りてフランシス・ローレンスに監督が回ってきたとのことで、前記の二人が興味を持ったのもわかるないようだし、どちらかが監督していれば傑作になっていたかもしれない。だが、まあフランシス・ローレンスなら、ここまでやれれば一応文句はないと言ったところ。派手な見せ場を繋いでいくのではなく、じっくりとプロットを展開しているので、2時間20分の長尺となり、少々かったるいところもあるのだが、爆発、格闘、銃撃戦のつるべ打ちのスパイ・アクションとは違った作品を作ろうという心意気を買いたい。

 話がどちらへ転がっていくか、観客になかなかわかりにくいというのがキモで、そのために作り手側としては、ヒロインの内面を観客にも隠しておかねばならない。それはとどのつまり、主人公に感情移入しにくくなるということである。だから、ただ存在しているだけで、観る者の共感を無条件に引き寄せてしまう女優が必要ということになる。ジェニファー・ローレンスなら、その条件をクリアしているわけだ。

 東欧の各都市の街並みが、少しばかり荒涼とした感覚で撮られていて(撮影監督はジョー・ウィレムズ)、クラシック音楽の使用がそれにマッチして効果を上げている。ラスト・ショットからエンド・クレディットへの音楽の使い方も余韻を残す。

 元CIA工作員だというジェイソン・マシューズの書いた原作は三部作だという。「レッド・スパロー」は興行的にも批評的にも大成功とはいかなかったようなので続編は難しいかもしれない。
 でも、面白かったので原作の次作Palace of Treason買っちゃいました。

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by broncobilly | 2018-04-01 16:40 | 映画評
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