おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「タイタン」(The Titan, 18)

 「タイタニック」のJ・キャメロン監督作「アバター」に主演し、「タイタンの戦い」と、その続編でも主演だったサム・ワーシントンが、'タイタン(土星の衛星)'に行くため'タイタン(巨人族)'になる。

 もうちょっとだけ説明すると、いよいよ人類がインターステラーを考えなくてはならない近未来。NATOによる移住計画を任されたトム・ウィルキンソン教授がワーシントンら、過去に極限状況で生き延びた経験のある候補者たちを集め、様々な改造を施し、タイタンでも生き延びることができるような超人類を作りだそうとする。
 被験者たちは強靱なサバイバル能力を発揮するようになるものの、精神に異常をきたして凶暴になったり、肉体的に異常が発生して命を落としたりする。
 ワーシントンの妻は、夫の変身を見守りながら、幼い息子と自分の命を、そして最愛の夫の命も、守り抜こうとするのだが…。

 Netflixのオリジナル映画には ①持ち込まれた企画を買い取り、自社で製作するもの(例「オクジャ」) ②すでに製作済みで映画祭などでも評価されているのだが、まだ公開されていない作品を買い取ったもの(例「飢えた侵略者」) ③大手スタジオによる改変の指示を作り手側が嫌い、オリジナルの形で配信してくれるNetflixを選んだもの(例「アナイアレイション」) ④「こりゃあ、出来が悪いから、劇場公開すると赤字になるぞ。いっそ、Netflixに売っちゃおう」という決算セールみたいなもの(例「クローバーフィールド パラドックス」)などのパターンがある。
 「タイタン」がどのパターンなのか、まだわからないのだが、出来としては④の感じ。

 タイタンに行くのかと思ったら、おもに研究所か被験者たちの家で話が展開するのも、なんだかケチくさい。
 全体のテンポも良くないし、レナート・ラフ監督の演出ももったいぶってばかりなので、恐怖が伝わってこない。

 やはりワーシントン主演のNetflixリミテッド・シリーズ「マンハント」は、なかなか面白いのだが、同作の脚本を書き、「タイタン」も執筆しているマックス・ハーウィッツのシナリオもいただけない。結局「蠅男の恐怖」的なマッド・サイエンティスト/変身人間テーマの邪劇なのだから、そうわりきって観客(視聴者?)を楽しませることに徹すればいいのである。
 演出同様、シナリオも妙にお高くとまったところがあって鼻につく。

 主人公がクリーチャー化していくのをC.G.I.ではなく、特殊メイクで表現している心意気は買いたい(予算の関係という気がひしひしとするのだが)ものの、デザインそのものに魅力がないのは致命的である。巨人と言うよりは、出来損ないの半魚人なので、「シェイプ・オブ・ウォーター」を観た後だと、なおさらキツイ。

 俳優たちも、この作品世界の中で、どんな演技をすればいいのか戸惑っているようにさえ見える。

 そんな中で、ちゃんと作品の本質(であるべきもの)を理解して、マッド・サイエンティストをきっちりと演じているウィルキンソンは、やっぱりエライ。

 ラストは悪くないのだが、なにせ、ここに至るまでがヘッポコなので、取って付けたようです。

 口直しに「マンハント」の続きを観ようっと。

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by broncobilly | 2018-04-03 07:14 | 映画評
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