おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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「サイコキネシス-念力-」(PSYCHOKINESIS,17)

 「新感染/ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホが監督と脚本を手がけた新作。こんなものが、いつの間にか転がっていたりするからNetflixは侮れない。

 やむを得ない事情により幼い娘と妻を捨て自堕落な生活を送っていたリュ・スンリョンが偶然、念力を手にする。商店街の土地を狙う地上げ屋の嫌がらせの結果、別れた妻が死亡。彼は娘シム・ウンギョンと街の人々を護るために立ち上がる。

 うんと大雑把に書くと、こんな話です。いやあ、でも今回も面白かった。ノンストップに走り続けた「新感染」と違い、こちらは序盤のんびりムード。スンリョンのダメ男ぶりも堂に入っていて、超能力が使えるとわかると、とりあえずマジックショーで稼ごうとするところなどなんだか可笑しい。そこかしこにユーモアが効いている。

 話の展開も古めかしく、そこが逆に魅力的だったりも。
 だめな父親が娘に償いをし、護るために超人的な力を発揮する、というのは「新感染」と同じですね。もう一つ同じなのは、韓国社会に対する怒りと不信が物語の背景にあること。むしろ、こちらの作品の方がその傾向は強い。怒りと不信がユーモアを込めて描かれている分、さらに批判が効果的になっている。
 地上げ屋の背後には財閥がいて、警察やメディアも支配されている。

 財閥のエライ人をチョン・ユミがハイ・テンションで演じていているのだが、最近何かと話題の韓国財閥のお嬢様たちを思い出さずにはいられない。そう言えば、ポン・ジュノの「オクジャ/okja」に出てきたティルダ・ティルダ・スウィントンもこんな感じだったな。

 地上げ屋たちを主人公が念力で撃退する場面が中盤にあり、面白いのだが幾分控えめ。一種ガマン劇でもあるので、描写を抑えて置いて、主人公が怒りを爆発させるクライマックスのカタルシスを高めようという計算だろう。拘留されていた警察から主人公が脱出、機動隊の襲撃によって危機に瀕している娘と街の人々を助けるために超能力を炸裂させる終盤では、「新感染」のスピード感が甦る。
 最初から最後まで一気に疾走していた「新感染」と違い、徐々に加速してスピードかマックスになる感覚である。

 主人公が超能力を発揮する描写はアナログ的な映像とC.G.I.がほどよくミックスされている。

 凄まじいクライマックスの後に、下町人情劇に戻って幕が閉じるのも心地よい。

 ヨン・サンホ、またまたやってくれました。


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by broncobilly | 2018-04-28 17:06 | 映画評
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