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映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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地獄の映画評その1「ヘルライド」Hell Ride (08)

 クエンティン・タランティーノ製作総指揮のバイカー・ムービー。バイカー・ムービーで一時人気があったラリー・ビショップが脚本、監督、主演を兼ねている。というわけで、六十年代後半に一部で人気を集め、かの「イージー・ライダー」のプロトタイプともなった低予算の暴走族映画へのオマージュである。
 ビショップが脚本、監督、(主演ではなく)出演を兼ねた作品としてはシナトラ一家("ラット・パック")映画へのオマージュである「マッド・ドックズ」(96)という作品があって、知る人の少ない作品だが、これはぼくのお気に入りの一本。
 この「ヘルライド」もめちゃくちゃな作品で、C級バイカー・ムービーの再現としてわざとめちゃくちゃにしているのか、ちゃんとした映画を作ることができないのか判然としないところがあり(両方のような気がひしひしとする)、しかし、それがまた不思議な魅力にもなっている。
 主人公のバイカーはピストレロ(ビショップ)、腐れ縁の相棒がジェント(マイケル・マドセン)、ある事情から二人と行動を共にする若者はコマンチ(エリック・バルフォー、見たことのある顔だと思ったら「24: シーズンⅥ」のマイロ)。敵対するバイカーズのリーダー、ウィングスがヴィニー・ジョーンズ。
 過去の因縁とか、まあ一応語られるのだが、ストーリーはあって無きがごときもの。次から次へと登場する女性たちの脱衣率は九割以上。男性登場人物でバイクに乗らないのは、最初は出演依頼を断り、ビショップか脚本を書き替えて、座っている場面だけにしたら一日だけ撮影にやってきたデイヴィッド・キャラダインの他には一人だけだったような気がする(輸入したDVDを確認のためにもう一度再生する気にはならない)。デニス・ホッパーも昔取った杵柄でバイクとサイドカーを乗りこなす(自前のマシンとのこと)。
 「白昼の幻想」(67)みたいなサイケ場面が出てくるのもご愛敬だが、構成はぐたぐたで、出演者たちもおのおのが勝手に芝居を楽しんでいる。マドセンなんかノリノリで、「次は少しは残しておいてくれ」なんて言われても、銃を手にすればたちまち敵を皆殺しにしてしまう男を嬉しそうに演じている。
 マトモなアクション映画を観るつもりだと馬鹿を見る。バイカー映画というジャンルの好きな人たちが集まって(ピーター・フォンダは「おれはもういいよ」と出演を断った)わいわい言いながら作ったホーム・ムービーみたいなシロモノ。わざと安っぽいセリフを乱発し、それが洗練された楽しさに繋がっていくタランティーノ監督作と違い、ただひたすら安っぽい。だが「デスプルーフ」が、グラインドハウス映画の再現を狙いながら、タランティーノのセンスが良すぎるためにちゃんとした映画になってしまっていたのと比べると、「ヘルライド」は本物のC級映画に仕上がっている、って褒めているのかなんなのか自分でもよくわからないが、ぼくはけっこう"地獄の暴走"を楽しみました。
映画・ドラマ

by broncobilly | 2009-01-13 13:04 | 映画評
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