おにがしま


映画批評家      鬼塚大輔      による映画評その他なんだかんだブログであります。
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<   2018年 08月 ( 3 )   > この月の画像一覧


「アントマン&ワスプ」(Ant-man & the Wasp, 18)

 MCUの最新エントリー。今回はアントマン/スコット・ラング(ポール・ラッド)が、量子界で行方不明となったままの、ピム博士(マイケル・ダグラス)の妻でありホープ/ワスプ(エヴァンジェリー・リリー)の母であるジャネット(ミシェル・ファイファー)の救出を手伝おうとする。 この救出に必要なのがピム父娘の秘密研究所で、物質を通り抜けられる'ゴースト'(ハナ・ジョン=カーメン)やら、故買屋バーチ(ウォルトン・ゴギンズ)やらが絡んで争奪戦を繰り広げることとなる。 

 争奪戦の鍵となる、いわゆる'マクガフィン'というやつは、昔なら鍵とかマイクロフィルムとか、最近ならUSBとか、まあとにかく小さなものが普通で、大きな場合でも自動車程度なのだが、この作品ではビル一棟ですからね。でも、小さめのキャリー・バッグ程度の大きさにいつでも縮小できるので、みなさんホイホイと手軽に獲り合っておられます。 

 でもさ、分子間の空間を圧縮することで小さくなったり、圧縮によってパワーが生まれたり、空間を拡張することで巨大化するという設定だったよね。てことはビルを縮小しても、重さはまんまビル一棟分のままじゃないのかね。 前作で戦車をキーホルダーにしてポケットに入れているピム博士を観たときも、凄いなあと思ったが、今回も皆さん腕力ありすぎ。サノス様より凄いとはいわないが、どの登場人物もソーとかハルクよりも遙かに怪力だな。 

 などと、わかっていても野暮な突っ込みを入れたくなるのは、作品世界のアホらしさ(←褒め言葉)を充分に楽しんだからで、今回ものんびり笑って楽しめるのは有難い。 主人公を演じるラッドも達者だが、今回は親友役のマイケル・ペーニャが炸裂しています。 

 FBIのウー捜査官を演じるランドール・パークの独特すぎる笑顔に見覚えがあるなあ、と思ったら、The Interviewで'あのお方'を演じた人だったんだな。ウー捜査官、コミックスの世界どおりだと、今後非常に重要な役割を担うはずなのだが、まあそれはともかく、今回もパークさん好演です。 

 「インフィニティ・ウォー」の後なので、人死にや残酷場面がなく、世界を滅ぼそうとか支配しようという悪者が登場せず'ゴースト'も、まあ気の毒だよなあだし、バーチ一味も小者感漂いっぱなしだし、ちんまりとした世界間の中で家族ドラマをドタバタとやっている感(量子世界は無限なのだが)が良いねえ、などと思っていたらオマケ映像で、こう繋げてきましたか。 

 アントマンとワスプが登場するという、次の「アベンジャーズ」絶対に観なくては(出てなくても絶対に観に行くけど…)。


by broncobilly | 2018-08-31 17:23 | 映画評

「マッド・ダディ」(Mom and Dad, 17)

 ネヴェルダイン&テイラーのコンビ作(「アドレナリン」ほか)は、どれもぶっ飛んでいて好きなのだが、ブライアン・テイラーが初めて単独で脚本+監督に挑んだのが「マッッド・ダディ」。期待して観に行きました。 

 ある日、突然原因不明で血の繋がった子どもたちに殺意を抱く親たち。 永井豪の「ススムちゃん大ショック」を思わせる設定である(テイラーのことだから「ススムちゃん…」を読んでいたとしても、ぼくは驚かない)。 

 ぼくはご幼少の砌に「ススムちゃん…」をうっかり読んで今でもトラウマだし、中学生の頃に劇場で、子どもたちが一斉に大人たちに牙をむくという「ザ・チャイルド」も観ているので、設定自体には今さら衝撃は受けないのである。 

 原題は「母さんと父さん」で父さんがニコラス・ケイジ、母さんがセルマ・ブレアという、インパクト充分のカップル。しかもケイジの父としてクライマックスに登場するのがランス・ヘンリクセンですからね。もうお腹いっぱい。子どもたちはアン・ウィンタースとザカリー・アーサー。 

 ケイジは「過去十年間の出演作の中で最も気に入っている」と言っているとのことだが、ケイジの近年のキャリアからすれば、毒蜘蛛と毒サソリと毒蛇とムカデなら、毒がないだけムカデが気に入っている、というようなもので、それほど有り難みのないコメントではある。 

 しかし、多分リップサービスではないと思う。ノリノリで楽しそうだから。 ネヴェルダインと組んでいた頃と比べれば、映像の飛躍は少々おとなしめになっているような気もするが、それでもやっぱりタイラーのスピーディーな演出は楽しい。それに音楽の使い方が病んでいて可笑しいぞ。オープニングが「帰り来ぬ青春」の英語カバーだもんね。 「大人対子ども」という図式ではなく、あくまで「親対子ども」という設定になっているのが面白いと思う。なぜ、こんなことになったのかというヒントは提示されるが最後まで明快にはならないし、マジメに観ている人はラストで怒るだろう。 

 でも、ぼくは気に入りました。スパッと鉈で断ち切るような終わり方。 テイラーが手がけた「ハッピー!」もAmazon Prime Videoで観てみようかな。

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by broncobilly | 2018-08-29 15:47 | 映画評

「オーシャンズ8」(Ocean's 8, 18)

 「オーシャンズ」三部作のチーム・リーダー、ダニー・オーシャンの妹デボラ(サンドラ・ブロック)が、女性だけのチームを結成し、'メットガラ'を舞台に一億五千万ドルの値打ちを持つネックレスを狙う。

 原案/脚本(オリヴィア・ミルチと共同)/監督はゲイリー・ロス。スティーヴン・ソダーバーグほどの才気は見られないものの、演出のスタイルは洒落ていてテンポも良いので退屈はしない。問題なのはシナリオの方で、物語上のターゲットを騙すだけでなく、観客に背負い投げを喰らわせるのが「オーシャンズ」三部作の面白さで、一応「8」もそうなっているのだが、いささかインパクトに欠ける'仕掛け'となっている。
 チームのメンバーが七人なのに、タイトルが「8」となっている理由も予想通りのものだし、後半になってから登場する保険調査員(ジェームズ・コーディ)も面白いキャラクターなのに、あまり活かされないままに終わってしまう。

 それでも、猛暑の息抜きとして悪くはないなあ、と思わせてくれるのは出演者たちの魅力が存分に生かされているからで、三部作でのジョージ・クルーニー+ブラッド・ピット的な息の合ったコンビネーションをブロックとケイト・ブランシェットが見せてくれるし、サラ・ポールソン以下、集められる面子も個性的で面白い。
 ネックレスを盗み出すために利用される人気女優役のアン・ハサウェイはノリノリの演技で実に楽しい。ジェニファー・ローレンスがスケジュールの都合で降板したための出演とのことだが、結果的にはこれで良かったのではないかと思う。

 若手女優役でちらりと顔を出すあの人とか、ガラのゲストとして本人役で続々顔を見せる皆さんとか、旧三部作チームからのあの人とか、次から次へと馴染みの顔が登場するだけでも嬉しい。個人的にはエリザベス・アシュレイの生存確認ができただけでも入場料金の価値はあった。

 ダンゴムシくらいのファッション感覚しか持ち合わせていないぼくでも、ああ、かっこいいなあ、と思う出で立ちに、綺麗だったり、個性的だったりする女優さんたちが身を包んでいるのも暑気払いにはけっこう。特にブランシェットは何を着ても決まっている。

 出来としては「オーシャンズ11」-3=「オーシャンズ8」というよりも「オーシャンズ13」-5=「オーシャンズ8」といった程度。
 観ている間は楽しかった。すぐに忘れてしまいそうだが。




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by broncobilly | 2018-08-10 16:43 | 映画評